あの日

2006年8月12日
私が知らせを聞いたのは友達からの電話だった。

3月1日。

前日に友達から着信が入っていた。

仕事の疲れで早々と寝ていた私は、
それに気付かず、
また今日の夜電話しようと思いながら、
出勤の準備をする。

たしかにその時も何かが引っ掛かってはいた。

そして、8時すぎ。
歯をみがこうと洗面台に向かったことろで自宅の電話が鳴った。
お母さんが電話に出て、私はキッチンを出る。

何かが引っ掛かった。

そしてお母さんが
「電話よ。淡路島のMちゃんから」
鼓動が早くなった。

昨日の着信。
そしてこんなに早い時間の自宅への電話。
何より相手がMちゃんだったこと。

Mちゃんは私が幼稚園の時から一緒の友達。
小学校からはお父さんの仕事の都合で九州にいて、
神戸の大学へ行った時に再会した。
そんな縁で私達は大学4年間、よく遊んでいた。
二人で三宮に飲みに行ったとき、
声をかけられた男性二人組と仲良くなって、
Mちゃんはそれから5年後にその一人と結婚。
その結婚式で私は彼に出会った。

1999年の12月11日。

淡路島に嫁いだ彼女はそれから子供が二人生まれて、
私は広島にいて、
そんなに頻繁に電話をすることもなくなった。

私の方は彼のことを相談したりもしてたけど、
最近はそれもしなくなっていた。
そんな彼女からの電話。

「……もしもし」
「あっ、クロエちゃん?ごめんね、こんなに朝早く。昨日電話したんだけど」
「うん、ごめんね。疲れて寝てたよ」
「いいのいいの。あんね。Sくんがね、昨日ね……」


子供が二人いるからか、彼女の話し方はとってもやさしくて、
ゆっくりで、だけど内容はとても衝撃的だったのを覚えている。

「……昨日ね、仕事中に事故にあって、亡くなったんよ」

一瞬、時が止まった。

実際、それから私がMちゃんと何を話したのか覚えていないけど、
そのまま床に座り込んだのは覚えている。

やり場のない感情がどんどん押し寄せて、
私はどんな顔をしてたんだろう。

私の顔を見たお兄ちゃんが一瞬で顔を背けたのを覚えている。
きっと見ていられない表情をしていたんだろう。

2日前、神戸で会ったばかりだった。
また来月ね。
そう言って別れたばかりだったのに。

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